『IDEA』第368号「日本オルタナ精神譜 1970-1994 否定形のブックデザイン」

★『IDEA』第368号(誠文堂新光社、2014/12)

デザイン誌の『IDEA』2015年01月号(通巻第368号)は、「日本オルタナ精神譜 1970-1994 否定形のブックデザイン」(A Chronicle of Alternative Spirits in Japan 1970-1994: Books Designed in Negative Forms or A Gutenberg Elegy in a Thousand and One Steps)特集号。

これはオルタナ編集者・郡淳一郎さんの構想・企画による「オルタナ出版史」3部作の第3部にして完結篇に当たるものです。1945年から1969年を扱った前号第367号の4章につづく、第5章から第8章までを収めています。

3部作を通じて、詩集を中心とした全1001冊(組)の書物によって編まれたオルタナ出版・文学・精神誌史の全容がこれで明らかにされました。登場する書物については、その物としての姿形はもちろんのこと、詳細な書誌、使用されている活字、その書物の制作にかかわった人物や書肆の「小伝」から構成されています。日本の出版史や文学史に関心のある向きなら、手元に置きたくなること請け合いです。

また、2014年12月15日には、この3部作の完結を記念したトークショー「日本オルタナ出版史3部作 完結記念 郡淳一郎×山中剛史×山本貴光×内田明×扉野良人×室賀清徳 トークショー」が開催されました。twitterでの反応はこちら

第368号の目次は以下の通り。

・オルタナ出版史のためのプログラム 第三版(郡淳一郎)
・日本オルタナ出版史1923-1994総合年表(長田年伸)
・第5章 人文書空間の興亡
・第6章 限定本セヴンティーズ
・第7章 ポスト文芸書
・第8章 筆触の行方
・近代日本語活字書体小史(内田明)
・参考文献一覧
・『アイデア』第367号〈日本オルタナ文学誌〉正誤表
・オルタナ出版史へのポストスクリプト(室賀清徳)

山本は、第5章に「清水康雄 青土社」を寄稿しました。社名の由来なども記しています。

また、同号には、ばるぼらさんと野中モモさんによる「日本のZINEについて知っていることすべて」の第1回「コミティアと自主制作漫画誌の30年」も掲載されています。

それにしても、『IDEA』誌は、この号に限らず、毎号どうやってこんな誌面をつくりあげているのかと、驚くことばかりであります。

詳細な目次やページのサンプル画像は、下記リンク先でご覧いただけます。

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